株式投資

ゴールデンクロスとは?|代表的な買いシグナルの3条件

「ゴールデンクロス」とは、チャート上で移動平均線を使って売買タイミングを探す方法としてよく使われているものです。また、ゴールデンクロスとセットで出てくる「デッドクロス」もよく使われています。

売買タイミングを探す方法のなかでも、かなり有名なものなので、「ゴールデンクロス」が代表的な買いシグナルで、「デッドクロス」が代表的な売りシグナルと呼ばれていることは、ほとんどの人が知っていることです。しかし、実際に「なぜゴールデンクロスが買いシグナルで、デッドクロスが売りシグナルなのか」というと、よく理解していない方も少なくありません。

この記事では、「なぜゴールデンクロスが買いシグナルで、デッドクロスが売りシグナルなのか」について初心者の方にも分かるようにしっかり解説していきます。すでに知っている方も、もしゴールデンクロス、デッドクロスを使っていて利益が出せていないのであれば、見方が間違っている可能性があります。もう一度この記事を読んで、正しいゴールデンクロスとデッドクロスが表す売買サインをおさらいしましょう。

ゴールデンクロスとデッドクロス

まず、ゴールデンクロスとは移動平均線と価格(ローソク足)のクロスです。移動平均線が下がって、下げが止まったところで、価格が下から上に移動平均線をクロスする状態を、ゴールデンクロスと呼びます。逆に、デッドクロスは、移動平均線を価格が上から下にクロスする状態のことを言います。

移動平均線というのは、過去の平均的な何日間の買い方、これの値段と現在の値段を比較し表したものです。下のチャートを見てください。

このチャートはゴールデンクロスが真ん中にあります。それより、左の方をみていただくと、移動平均線が上にあり、価格が下にある状態です。このような状態の時は、平均的な買い方が損をしている状態を表しています。

このような、買ったあとに値段がどんどんと下がっていくと、買い方の気持ちは「あれ、失敗したかな?」となり、手仕舞った方がいいのではと損切りを考える人が増えるわけです。この手仕舞いの決済は、買い方にとっては、売り注文としてチャートに表れてきます。そのため、図の丸で囲まれた部分の期間は売りが出やすくなっています。

気持ち的には、相場全体が「失敗したか?いつ決済をしようか・・・」という売り中心の考え方になるため、それが真ん中でゴールデンクロスするわけですね。そして、ゴールデンクロスをした瞬間にガラっと変わります。そこから先は価格が上になって、移動平均線が下になります。

この、価格が上にあり、移動平均線が下にある状態というのは、この期間に買った人は、損からプラスに変わったということになります。そうすると、売買している人の気持ちがガラっと変わっていきます。

「やっぱり上がってきている、もっと買っておいたほうがいいのでは?」という気持ちになるのが、上の図の状態です。つまり、ゴールデンクロスというのは、「失敗してしまった」とショボンとしていた投資家が、ある瞬間に「やっぱり買いだ!」と強気になるのが、ゴールデンクロスということです。

つまりゴールデンクロスは、図の移動平均線と価格のクロスを境に、相場全体が売りのムードから買いのムードにガラっと変わる分岐点なので、そこが買いシグナルであるということを意味しています。

デッドクロスは、その逆となります。今まで利益が上がっていた買い方が、利益がなくなる状態になります。「もっと利益が上がる、楽しみだな」と思っていたのが、利益がなくなってしまった。損が出た時に、手仕舞わなければという気持ちになって、相場全体のムードが買いから売りにガラっと変わります。そのため、その分岐点が売りシグナルであるということになります。

もみあい時のゴールデンクロスとデッドクロス

前項の話をしっかりと理解すると、もみあい相場の時には、ゴールデンクロスとデッドクロスが使えないということが分かります。

どういうことかと言うと、もみあい相場の中では、移動平均線は価格とほとんど同じ状態で上がったり、下がったりといった動きをするため、ゴールデンクロスをしたと思ったら、デッドクロスをして、またすぐにゴールデンクロスするといったような状況が続きます。

そのため、このような状況下では価格が移動平均線を下から上に抜いた場面を見つけて「ゴールデンクロスをした」といっても、またすぐに下がったり、上がったりを繰り返していく状態のため、今がまさに買いチャンスだ、というゴールデンクロスにはなりません。デッドクロスも同様です。

このようなことから、ゴールデンクロスとデッドクロスは相場がもみあいになっている時には使うことが出来ないということが分かります。

正しいゴールデンクロスの3条件

前項までに、基礎的な知識を解説しましたが、この項では「正しいゴールデンクロスの3条件」を解説していきます。ゴールデンクロスというのは、初心者でもわかりやすく、非常にあたる良い売買シグナルなのですが、現在使っている人は少なく、なぜかというと、ダマシがあるからです。このダマシを克服するために必要なのが、「正しいゴールデンクロスの3条件」です。

たいていの人は、移動平均線と価格がクロスとすると、片方がゴールデンクロス、片方がデッドクロスと思っている方が多いのですが、実は、正しいゴールデンクロス、正しいデッドクロスの見方というものが存在します。

この「正しい」という意味を説明すると、株式投資では「必ずうまくいく」ということはありえないので、もちろん失敗するケースもあります。買いのサインが出ているのに実際に価格は下がっていった、なんてことはよくあることなのですが、このような、売買サインとは価格が逆の動きをすることをチャート上ではダマシといいます。

こういったダマシが少ない局面を見つけることが出来るものを、正しいゴールデンクロスと言っています。

    ■正しいゴールデンクロスの3条件
    1、ある期間、移動平均線が下降している
    2、その移動平均線が横ばい、あるいは上昇に転じる
    3、そのとき価格が移動平均線の下から上向きにクロスする

3条件、その1

まず、移動平均線がある期間、下降していることが条件となります。この下降の時は、買い方は損をしている状況です。損をしているものがあって、

3条件、その2

次に第2条件として、その下降していた移動平均線がよこばい、あるいは上昇に転じていることです。

3条件、その3

条件の1と2がそろった時に、価格が移動平均線を下から上にクロスする。

上記、3条件がそろった時が正しいゴールデンクロスとなります。

正しくないゴールデンクロスは、まだ移動平均線がどんどん下がっているが、その時に価格がたまたま少し上がってクロスし、しかし、移動平均線はまだまだ下がっているという状況です。このような状況だと、クロスする前に跳ね返されますし、クロスしたとしてもまた戻ってしまう可能性が高くなります。これがダマシに通ずるのです。

移動平均線がある程度下がっている移動平均線が、よこばいあるいは若干上がる、こういった状態になった時に、価格が下から上にクロスしていく。このような3条件を覚えることが出来れば、非常に失敗の少ないゴールデンクロスを捕まえることが可能となります。

移動平均線を2本使う

失敗のないゴールデンクロスを見つけるためには、移動平均線は2本使いをしましょう。最近のチャートでは、ほとんどが移動平均線を表示すると2本の移動平均線が最初からついています。設定で一番多いものは、短期移動平均線が5日、長期移動平均線が20日、あるいは25日を使ったものです。つまり約1か月の移動平均値が出ているというものが多いです。

この移動平均線を2本使うことに対して、

    ・移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスというのは、2本の移動平均線のクロスのことである

    ・短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜けることがゴールデンクロス、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下にクロスすることがデッドクロス

と考えている方が多くいます。

しかし、ゴールデンクロスとデッドクロスは、あくまで価格(ローソク足)と移動平均線のクロスです。そのため、価格と移動平均線の方が大事なのですが、最近では移動平均線同士、短期の移動平均線と長期の移動平均線のクロスをゴールデンクロス、デッドクロスと解説していることが多くなりました。

短期移動平均線として、5日移動平均線がよく使われるようになりましたが、この5日移動平均線は、実は価格(ローソク足)の代用です。なぜ、ローソク足の代用として、5日移動平均線が使われ始めたのかというと、ローソク足は実体が長かったり、ひげがあったり、毎日上がったり下がったりするため、その25日移動平均線とクロスしたところを見つけようと思っても、今日クロスしたのか、昨日クロスしたのか、あるいはクロスしたら、また元に戻ったのか、そのような色々な動きが分かりづらいという欠点があります。

ところが、価格を短期移動平均線にすることによって、線と線のクロスになり、そのクロスする部分は一点となるため、とても見やすく、分かりやすくなります。

この1点でゴールデンクロスが分かると、価格が移動平均線を上抜いた、ここが買うポイントだというのが分かります。このように、細かい動きをする価格を分かりやすくするために、短期の移動平均線を使っています。

まとめ

ゴールデンクロスやデッドクロスは、ただ移動平均線を価格が上抜けたから、下抜けたからという理由だけでは使えないことがお分かりいただけたでしょうか。限りなく失敗のない売買サインを使いこなせるようになれば、かなり有利な取引が出来るようになります。まずは、正しいゴールデンクロスの3条件をしっかりと覚えて、使ってみましょう。
(この記事で解説している内容は、投資の学校が提供する小次郎講師の講義を元にしています。)

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