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「新値足」は、代表的なチャートのひとつであり、トレンドの転換を見るために開発されたチャートです。
新値足は、移動平均線などのように毎日(週/月)の値動きをチャートに描いていく指標とは異なり、終値が直近の最高値(または最安値)を更新したときだけ、新たに線を追加していくという指標です。価格の上昇時には陽線(白ヌキ)で現れ、加工時には陰線(黒ヌリ)で現れます。チャートを比べてみても、同じ期間でも足の本数がまったく違います。
また、一般的に使われるパラメーターは3日で、これを「新値3本足」と言います。この新値3本足は、終値が直近3日間の最高値(または最安値)を更新したときだけ、新たに線を追加していくもののため、もみあい時の相場の方向が小さく上昇したり下降したりといった不安定な価格の変化はチャートに表れません。
短期・中期型のトレーダーはもみあい相場など、目先の小さな価格変動に惑わされることが多く、ダマシに合うことも少なくないでしょう。しかし、新値足を活用すれば、そういった目先の小さな価格変動に惑わされず、相場の流れの転換点を確実にとらえ、売買のタイミングを逃すことなく取引が可能となります。
この記事では、新値足で最もポピュラーなパラメーターの「新値3本足」を使って解説していきます。
チャート分析の初心者の方は、毎日チャートに変化があるわけではないので見慣れないかもしれませんが、ぜひこの機会に新値足をマスターしてしまいましょう。
新値本足とは
新値足は、明治時代の末期にはすでに本の中で紹介されていたというほど、古くから日本に存在している罫線です。価格の上昇時には陽線(白ヌキ)、下降時には陰線(黒ヌリ)で現れます。陽線で上昇トレンドだったものが、陰線に変わり下降トレンドだということが一目でわかります。このように、トレンドの転換を分かりやすく発見するためのチャートとなります。
冒頭でも解説しましたが、一般的に使われるパラメーターは3日で、これを「新値3本足」と呼びます。この新値3本足は、終値が直近3日間の最高値(または最安値)を更新したときだけ、チャートに足していくため、価格が上昇したり下降したりといった小さな書かk変動はチャートに表れません。
様々な名称
トレンドの転換の判断の仕方(パラメーター)で呼び名が変わり、3日であれば新値3本足、5日なら新値5本足というようになります。パラメーターが違うだけで同じ新値足となります。
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他にも
・新値〇本
・新値〇段
・〇線転換
・〇本抜き新値足
等
※「〇」は設定するパラメーターによって変わります。
基本的に、高値や安値ではなく終値(大引け)で判断するので、「大引け〇段足」とも呼ばれます。
特徴
新値足は、「非時系列型チャート」なのが最大の特徴です。非時系列チャートというのは、時間の概念がないものを言います。
移動平均線などのチャートは時系列チャートと言い、縦軸は価格、横軸は時間となっており、時間が経過するとどんどんと右へチャートが足されていきます。
しかし、非時系列チャートは時間が経過したからと言ってチャートは足されていかず、価格が変化したときのみ、チャートに足されていきます。そのため、価格に変化がないと時間がいくら経過してもチャートに変化は現れません。
非時系列チャート
新値足のほかにも非時系列チャートはいくつかあります。日本では、カギ足・練行足(れんこうあし)、海外ではポイントアンドフィギュアーなどがあり、いずれも日本より海外で好まれて使われています。
海外ではポピュラーなローソク足の海外版である「バーチャート」という指標がありますが、ポイントアンドフィギュアーのほうが長いこと使われてきた代表的なチャートです。
非時系列チャートは、どれもパラメーターが異なっていたり、少し考え方が違う程度なので、1つの非時系列チャートを理解していると、他もだいたい分かるようになります。
新値足の描き方【例:新値3本足】
この記事では、新値足で最もポピュラーなパラメーターの「新値3本足」を使って解説していきます。
まず、チャートの中には陽線(白ヌキ)と陰線(黒ヌリ)があります。
陽線の描き方
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■ポイント
1、3本の陰線の高値を終値で更新したら陽線を描く
2、始点はひとつ前の陰線の始点
3、終点は高値を更新した終値
4、終値で高値を更新するたびに行を変えて新たな高値への長方形を作る
チャートを用いて解説していきます。
1、3本の陰線の高値を終値で更新したら陽線を描く
終値で新安値を更新し続けて、その度に行を変えて陰線を描いていました。しかし、赤丸の部分で価格が底をついて上がり、3本前までの高値を更新したところで、トレンドが転換したと判断し、大きな陽線を描きます。
2、始点はひとつ前の陰線の始点
トレンドが転換した時の陽線の始点は、ひとつ前の陰線の始点となります。
3、終点は高値を更新した終値
陽線の終点は、直近の前3本の新高値を更新した価格の終値となります。
4、終値で高値を更新するたびに行を変えて新たな高値への長方形を作る
その後は、直近の前3本の新高値を終値で更新するたびに、陽線を加えていきます。
これは、終値が前3本の高値を更新しなかった場合には、チャートはそのまま変わらず陽線は足されていきません。このチャートを見れば、一目で終値の新高値を何回更新したかが見て取れます。
陰線の描き方
陽線の描き方の逆となります。
新値3本足の分析方法【基礎編】
新値足では、微妙に価格が上がったり上がったりともみ合っている状況では、チャートを足すことはありません。そのため、チャートに変化がなくなった時には、それはもみあい相場なのだと考えることが出来ます。
逆に、仮にずっと上昇トレンドで陽線が続いていて、もみあいになった場合、直近の3本前までの安値を更新したら、それはかなり動いたということでチャートに新たな陰線を足します。陽線からもみあい、その後に陰線が現れたとなると、上昇トレンドがストップしてトレンドが転換したかもしれないという風に考えられます。しかし、すぐにまた陽転し下降トレンドにならないことも、もちろんあります。
毎日の変化する小さな値動きで「トレンドが転換したかも」と考えるより、根拠をもってトレンドの転換をはっきりと見ることが出来るのです。
よくニュースなどで「新値3本足が陽転しました、陰転しました」と言っているのを耳にしますが、これはトレンドが転換したということを表しています。
売買サイン
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1、陰線が連続したあと、新たな陽線が出現した時(陽転)が買いサイン
2、陽転後、前の高値を更新すれば買い乗せのチャンス
3、陽線が連続した後、新たな陰線が出現した時(陰線)が売りサイン
4、陰転前の安値を更新すれば売り乗せのチャンス
その他の分析方法
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1、陽転の場合、その前に続いている陰線の本数が多いほど、その後の値上がりが期待できる
2、陰転の場合、その前に続いている陽線の本数が多いほど、天井になりやすい
3、相場の転換をより確実に見極めるなら、2本目の陽線・陰線がでた時をタイミングとする。そのとき、2本目の足は小さいほど良いとされる。
なぜ2本目が小さいほど良いとされるのかというと、仮に、新高値を更新し続けて陽線が続いていたときに陰転した場合、1本目は大きな足が描かれます。その陰転を受けて、買い方はもっと上昇してほしいために売り方を抑えようと抵抗します。その買い方の抵抗を受けて1本目より小さい足となるわけですが、買い方の抵抗を押しのけてさらに新安値を更新することによって、勢いのある下降トレンドに転換した可能性が高いと考えられます。
新値3本足の分析での注意ポイント3つ
初級編では、基礎の基礎をお伝えしました。ここからは、本やインターネットでもあまり公開されていない新値足の分析方法について解説していきます。
新値10本前後で利益確定が出やすい
これは売買タイミングを見るというよりは、新値を10回も更新し続けた場合は、そろそろ利益確定が出始めるころだと注意をして相場を観察するようにしてください。なお、きっかり10本出ないとだめという話ではありませんが、大体の目安として10本前後を意識してください。
長大陽線、長大陰線が出たら一度利益確定する
長大陽線(陽線の中でも非常に大きな陽線)、または長大陰線(陰線の中でも非常に大きな陰線)が出た場合は、短期間で急に価格に変動があったということが分かります。通常だと何本にも分けて徐々に変化していく価格が、勢いよく変化したということで何か突発的に大きな材料が出た可能性が高く、利益確定が出やすいタイミングとなります。
また、長大陽線や長大陰線までいかなくとも、大きい陽線が3本続いた場合も、一度利益確定をしておくことをお勧めします。
新値の値幅が小さくなれば、トレンド終了の暗示
(時にそこから大きく伸びることもあり)
どんどんと価格が上昇(あるいは下降)していきトレンドが発生しても、最後のほうでは新値をつけても値幅が小さくなってきます。この小さな足が続くようになったら、そこに相当大きな抵抗があるとういうことが分かります。
そのため、ある程度上昇(あるいは下降)した後に値幅が小さくなれば、そこでトレンドが終了してしまうひとつの暗示なので、注意しましょう。
新値3本足の分析方法【上級編】
分析方法の基礎については解説しましたが、この項ではさらに掘り下げて解説していきます。新値足を使っていてこの分析方法を知らなかった方は、トレンドの転換が非常にわかりやすくなるので、ぜひ利用してみてください。
格言から見る売買サイン
新3本値足には、明治時代には多くの人が知っていた有名な格言があります。
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・黒い靴に赤い服から首が出たら買い
・赤い帽子に黒い服から足が出たら売り
チャートを使って解説していきます。
買いサイン
「黒い靴に赤い服から首が出たら買い」
↓
「黒い靴(小さい陰線)に赤い服(大きい陽線)から首(小さい陽線)が出たら買い」
基礎の分析方法のところで、「相場の転換をより確実に見極めるなら、2本目の陽線・陰線がでた時をタイミングとする。そのとき、2本目の足は小さいほど良いとされる。」といったことを解説しましたが、まさにこの原理です。
また転換するまえの足が小さいことで、すでにそれまでのトレンドの勢いが下がっていることも分かります。
売りサイン
「赤い帽子に黒い服から足が出たら売り」
↓
「赤い帽子(小さい陽線)に黒い服(大きい陰線)から足(小さい陰線)が出たら売り」
買いサインの逆の原理となります。
時系列新値本足
新値足は、横軸に時間の概念がない非時系列チャートと解説しましたが、やはり時間の概念がないと見づらいといったこともあり、現在では時系列新値足というものも生み出されています。
ただ、まだ時系列新値足チャートは扱っている証券会社が少ないので注意です。
通常ですと足の横幅は一定なのですが、時系列新値足チャートでは横幅が非常に長い足もあります。ところどころに時間の経過が非常にある足があるということで、この部分ではもみあいだったことが分かります。
時間の概念も取り入れて見たいという方には、かなり見やすくなっていますので、ぜひ活用してみてください。
時系列新値足チャートを使用したい方は・・・
みんかぶさんの公式サイトにて、FX向けですが登録なども必要なく無料で使用することができますので、ぜひ一度使ってみてはいかがでしょう。
サイトへ→【みんなの外為】
まとめ
短期・中期トレーダー向けとして一般的によく使われる「新値三本足」で解説をしましたが、もっと中・長期的な予測をするには「新値五本足」「新値十本足」を使用する場合もあります。
転換点を確実にとらえ、売買のタイミングを逃さないために有効な新値足ですが、初心者の方でも比較的売買タイミングが分かりやすく、使いやすいテクニカル指標なので、ぜひこの記事を参考に使用してみてください。
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どれも10分ほどで学べる内容になりますので、通勤時間や寝る前のちょっとした時間にご覧ください。