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テクニカル分析は、トレードで利益を上げるために必要不可欠なものです。
個人投資家は、ファンダメンタルズ分析では、企業に雇われているようなプロのトレーダーに情報量で勝つことは難しいですが、テクニカル分析ならば分析方法や売買サインなどの見方さえ覚えてしまえば初心者でも比較的簡単に使いこなせるため、個人投資家とプロトレーダーで差がつきにくく、利益を上げることができるのが魅力です。
ただ、初心者でも利益を出しやすい一方で、テクニカル分析に使う指標の種類はかなり多く使用用途などが全く違うものもあるため、使い方を理解していないと、逆に検討違いのトレードをしてしまい、「大きな損失を出してしまうかもしれない」という注意点もあります。
長期投資を考えている方ならばファンダメンタルズ分析に重きを置くこともいいかもしれませんが、短期中期投資で利益を上げていきたい方には、テクニカル分析を使いこなせることが必要となります。
この記事では、テクニカル分析の中でも分析方法を大きく2つに分けた、トレンド系指標とオシレーター系指標の活用方法の具体例、さらにトレードで利用する際の注意点についても解説していきますので、これからトレードで利益を上げていきたいという方は、最後まで記事をご覧ください。
テクニカル分析を使って利益にできた事例
まず、テクニカル分析を使うとどのように利益を上げていけるのか、実際のチャート図なども使って解説していきます。
テクニカル分析に使う指標はかなり多くの種類があるといいましたが、この記事ではざっくりとトレンド系とオシレーター系という2つに分類します。
トレンド系の基礎
トレンド系の指標は、現在トレンドが発生しているのか、そのトレンドは上昇しているか下降しているかどちらなのか、どれくらいの勢いがあるのかなどを分析するためのものです。
トレンドが発生しているときには、特に初心者はトレードで利益を上げやすいので、トレンド系指標の示すサインで売買するのがよいでしょう。
トレンドが発生していても、そのトレンドが始まったばかりなのか、すでに終わりの方なのかを見極めなければなりません。また、勢いのあるトレンドが発生している場合は、長期間同じトレンドが続くこともありますが、勢いがないトレンドはすぐに終わってしまいますので、売買をする際にはその点にも注意しましょう。
トレンド系の指標はローソク足に重なるように描かれます。
トレンド系指標での事例
トレンド系指標の中でも、最も有名で代表的存在の「移動平均線」を例に、利益にできた実例を紹介します。このチャートには、5日移動平均線と25日移動平均線が表示されています。
まず、移動平均線とは、ローソク足(価格)の動きを滑らかにして、トレンドや売買タイミングを発見しやすくするというものです。移動平均線をもっと詳しく知りたいという方は下の記事にて詳細な解説をご覧いただけます。
【FXや株式投資のみに関わらず移動平均線を制するものがチャートを制する!移動平均線を徹底解説】
この移動平均線で有名な売買サインが「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」というものです。
・ローソク足(5日移動平均線)を25日移動平均線が上から下抜けると「デッドクロス」【売りサイン】
より詳しい解説は下記記事より読むことができます。
【ゴールデンクロスとは?|代表的な買いシグナルの3条件】
下のチャートでは、「ゴールデンクロスしたところで買って、デッドクロスしたところで売る」という移動平均線の出す売買サインのセオリー通りに売買をすると、ゴールデンクロスからデッドクロスまでの部分すべて利益として取ることができました。
実例1を見るとわかりますが、ゴールデンクロスを確認したところで買ったときは400円程度だった価格も、デッドクロスを確認して売った時には1,600円になっています。
さくらインターネット(3778)は100株単位からの購入になるので、
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買い 400円×100株=40,000円
売り 1,600円×100株=160,000円
利益 120,000円
上昇トレンドの発生を見つけることができ、しっかり利益をとれた例です。
オシレーター系の基礎
オシレーター系の指標は、価格の絶対水準とは関係なく、現在の相場が買われすぎなのか、売られすぎなのかを分析するのに優れています。どちらかというと短期で価格に大幅な動きがない局面に使えるとされています。
オシレーター系の指標は、価格の下に別枠で描かれ、一定の範囲内で振り子のように動きます。
オシレーター系指標での事例
オシレーター系指標の中でも、最も有名で代表的存在の「RSI」を例に、利益にできた実例を紹介します。
このチャート図はオシレーター系指標の代表格であるRSIを使って、見たものです。
このオシレーター系のRSIというテクニカル指標は、0~100のあいだで動きます。0~100の間で形が変動していくのですが、「70を超えたら買われすぎだから売りシグナル、30を下回ったら売られすぎだから、買いシグナル」と言われています。
RSIをもっと詳しく知りたいという方は下の記事にて詳細な解説をご覧いただけます。
価格が30を下回った場合
▼売りシグナル
価格が70を上回った場合
実例2を見るとわかりますが、価格が70%を上回ったところで売ったときは230円程度だった価格も、価格が30%を下回って買った時には200円程度になっています。
ANAホールディングス(9202)は1,000株単位からの購入になるので、
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売り 230円×1,000株=230,000円
買い 200円×1,000株=200,000円
利益 30,000円
相場の買われすぎを判断し、しっかり利益がとれた例です。
分析方法から手法を変える
投資家の中には、
主に
-
・トレンド系指標が出す売買サインをもとにトレードをする投資家
・オシレーター系指標が出す売買サインをもとにトレードする投資家
の2パターンがいます。
また、トレンド系とオシレーター系の両方を使ってトレードをしている人も多いです。
それぞれ、どのようにトレードで使っていくかを基本的な売買サインを含めて解説していきます。
パターン1:トレンドフォロー派
トレンド系指標が出す売買サインをもとにトレードをする方法を、トレンドフォロー(=順張り)といいます。トレンドに沿って、上昇トレンドであれば買い、下降トレンドであれば売るという手法です。
上昇トレンドが発生すると買いサイン、下降トレンドが発生すると売りサインを出すのがトレンド系指標の特徴のため、トレンドフォロー派の投資家はトレンド系指標を使います。
これは初心者でも分かりやすいため、トレードを始めるときにはまずトレンドフォローをして取引をしたほうが無難といえます。
パターン2:カウンタートレード派
主にオシレーター系指標が出す売買サインをもとにトレードする方法を、カウンタートレード(=逆張り)といいます。上昇トレンドが続き、現在の相場が買われすぎていると判断すれば、天井が近いと予想して売り、逆に下降トレンドが続いていて売られすぎていると判断すれば、底が近いと予想して買うという手法です。
現在の相場が買われすぎと見ると売りサイン、売られすぎと見ると買いサインを出すのがオシレーター系指標の特徴のため、カウンタートレード派の投資家はオシレーター系指標を使います。
代表的なテクニカル分析の分類
【トレンド系】
移動平均、ボリンジャーバンド、一目均衡表等、MACD
【オシレーター系】
モメンタム、サイコロジカルライン、ストキャスティクス、RSI等
しかし、MACD などの指標は、トレンド系指標としてもオシレーター系指標としても使われることがあるため、上記はあくまで一般的分類となりますので、暗記などをする必要はありません。
また、初心者の方はトレンドフォローかカウンタートレードか、どちらでトレードをすればよいかで迷う人も多いですが、はじめのうちはわかりやすいトレンドフォローで始めてみるのがおすすめです。そして、慣れてきたら、相場に合わせて使い分けることができれば、なお良いトレードができます。
一般的にはトレンド系が中長期的、オシレーター系が短期的な予想に使われることが多いとされており、どちらの指標が優れているというわけではなく、大きな相場の流れを把握するのにはトレンド系を使い、短期または目先の値動きを予測するのにはオシレーター系と、使い分けて取引するのがいいでしょう。
トレンド系とオシレーター系の使い分けポイント3つ
トレンド系とオシレーター系の使い分け方に悩む方は、チャート分析するときに次の順でチェックするといいでしょう。
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1、まずトレンドがあるかないかを探る。
(トレンド系指標を使う)
2、もしあるなら上昇トレンドか、下降トレンドかを見る。
(トレンド系指標を使う)
3、 上昇トレンド(或いは下降トレンド)があるとして、
そのトレンドの序盤か中盤か終盤かを判別する。
(オシレーター系指標を使う)
チャート分析時の注意点
まず、トレンド系指標を使ってトレンドがあるのか、ないのかを探ります。トレンドが明確であれば、そのトレンドに付いていくというのが投資の基本です。そのため、上昇トレンドがあるならば買って、下降トレンドがあるならば売るというスタンスでいたほうが利益は取りやすいです。
アメリカの格言に「トレンド イズ フレンド」というものがあります。トレンドは最大の友人、トレンドと仲良くしていると儲けることができるといったことを意味した格言なのですが、これはまさにトレンドフォロー派の考え方です。
分析時のポイントとして、トレンドがあると言っても小さな(つまり短期間の)トレンドなのではないか、また、すでにトレンドが終わりに近づいていないか、ということを注意深く探る必要があります。
そして、前項のポイント1で、トレンドがないと分析されたとき、もみ合い状態になっている可能性があります。そのときに活躍するのがオシレーター系の指標です。
もみ合い状態の時にはオシレーター系の指標を使って、買われすぎていれば売る、売られすぎていれば買うという手法、つまりカウンタートレード(逆張り)が有効となります。
また、トレンドが発生している時でも、価格の天井を素早く察知し、天井を付ける前から売りを作るというカウンタートレード手法にオシレーター系の指標というのはよく使われます。ただ、オシレーター系で買われすぎのサインが出て、天井だと思って売りを作ったら、それからさらに値段が上がっていって大きな損失が出るという失敗例もよくあり、この手法は非常に難易度が高いので、初心者の方にはあまりおすすめしません。
トレンドがあるときはトレンドについていく、というのが一般投資家には一番わかりやすいので、トレンドがまだ継続しているのに天井を前もって察知して売りを仕掛けるというのは、リスクが高いということを頭に置いておいてください。
使い分け相関図をチェック
トレンド系の指標とオシレーター系の指標をどう使い分けるかを下図で整理しました。どこでトレンド系指標を使い、どこでオシレーター系指標を使うか、参考にしてください。
トレンド系とオシレーター系の売買サインの違い注意
トレンド系の指標とオシレーター系の指標を同時に分析すると、同じチャートなのに全く別の売買サインを出すことがあります。
たとえば、上昇トレンドがどんどんと勢いを増していくと、トレンド系のテクニカル分析では買いサインが出ますが、オシレーター系のテクニカル分析は売りサインが出るということもあります。
そのようなときには、「上昇トレンドが続いているが、そろそろ天井が近いかもしれないから気をつけよう」という風に、オシレーター系の売買サインを「注意信号」として考えてください。
そういった意味で、トレンド系のテクニカル分析とオシレーター系のテクニカル分析は最低ひとつずつ、併用して分析することが利益を上げるための賢明な分析方法といえるでしょう。
まとめ
-
・テクニカル分析にはトレンド系とオシレーター系がある
・順張り投資家はトレンド系を使い、逆張り投資家はオシレーター系を使う
・同じチャートでもトレンド系とオシレーター系では違うサインが出てくることがあるので要注意
・それぞれの指標を併用することが有効
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どれも10分ほどで学べる内容になりますので、通勤時間や寝る前のちょっとした時間にご覧ください。