株式投資

一目均衡表見方【入門編】|初めてでも分かる!儲けポイントが一目瞭然

日本では、テクニカル分析の中で移動平均線と肩を並べるほど有名な「一目均衡表」。日本で生まれたテクニカル分析のひとつですが、現在は海外でも素晴らしいと注目を受けています。

株式投資初心者のなかには、移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスだけを見て売買をしようとする人がいますが、実際には売買サインにダマシなどもあり、それだけで勝ち続けていける人は多くありません。

ただ、一目均衡表を使いこなすことが出来れば、株価の上下だけでなく、時間で株価の動きを見ることもできるため、通常のチャートとはまた違う視点から株価の動きを見ることが出来ます。

ダマシも回避しやすいため、売買のタイミングも迷うことがなくなり、売買のチャンスも増えることになるので、株で利益を出していくためには使えなくてはもったいないテクニカル分析のひとつです。

ただ、この一目均衡表ですが、実際にチャートに表示してみるとたくさんの線があらわれて、その見た目の複雑さから難しそうなイメージを持たれている方がとても多いです。
しかし、実際は小学生でも理解できるくらいシンプルなテクニカル分析です。

この記事では、誰でも儲けポイントが分かるようになる一目均衡表見方を、今まで聞いたことがない、使ったことがない、といった初心者の方にも分かるように丁寧に解説していきます。

すでに一目均衡表を知っていて使っている方でも、儲けを出すことが出来ていないのならば、それは使い方や見方を間違っている可能性があります。改めて、この記事を読んで一目均衡表の使い方をおさらいしてみてください。

一目均衡表入門編~チャートへの表示方法~

まず、チャートに一目均衡表を表示してみましょう。お使いの証券会社のチャートによって微妙に表示方法は異なりますが、この記事ではマネックス証券を使って解説していきます。

まず、トップページから株式投資を選択し、取引したい銘柄を検索します。



銘柄を検索したらチャートをクリックすると、このような画面が出るので、左上で指標「一目均衡表」を選択します。期間や足の長さもチャート上の部分で設定の変更をすることができます。これで、チャート上に一目均衡表を表示することができます。



あとの項で詳しく解説しますが、一目均衡表ではそれぞれの値を毎日計算するので、「日足」を使います。期間は「3ヶ月」くらいで見た方が、価格変動の全体像を見ることが出来るのでおすすめです。

一目均衡表の5つの線の名称を知る

下の一目均衡表を表示させたチャートを見ると、5つの線があるため、難しそうに感じますが、一度しっかりと理解してしまえば、とてもシンプルなものです。一目均衡表では、下の図で矢印が指している部分、つまり灰色になっている部分を「雲」と言い(正式には「抵抗帯」)、この「雲」が一目均衡表の大きな特徴となっています。

また、過去と未来を見ることが出来るというのも他のテクニカル指標にはない、一目均衡表ならではの特徴となっています。このような過去と未来、そして雲をあらわす線があるため、表示される線も多くなっていますが、慣れてしまえばとっても簡単に見ることが出来ます。

まずは、5つも線があるので最初は大変ですが、一目均衡表に表れる5つの線の意味を覚えましょう。大切なのは名前を覚えることではなく、意味を覚えることです。それでは、この5つの線の見分け方と意味を丁寧に解説していきます。

    ■5つの線の名前
    1:遅行スパン
    2:先行スパン1
    3:先行スパン2(先行スパンの2つの線が雲を作っています)
    4:転換線
    5:基準線

遅行スパン

この図では、遅行スパンは緑の線で表されています。
この遅行スパンという線は、ひとつだけ時間的に大きく後ろにずれている仲間外れの線です。現在のローソク足(今の価格)のところまで線が描かれておらず、26本前で終わっています。つまり26日間分、遅れて線が描かれています。

遅れて描かれているため、遅行しているということで遅行スパンと言われています。

「26日じゃなくともいいのでは?」と思うかもしれませんが、一目均衡表を考案したと言われる一目山人氏が検証に検証を重ねた結果、26日前に遅行スパンを設定することでトレンドを見つけ出すことが出来るということが分かっていますので、特に初心者の方は慣れるまではアレンジなどは加えずに26日に設定して使いましょう。

先行スパン1、先行2

上の図では先行スパン1がピンクの線、先行スパン2が青色の線です。
この先行スパン1、2は現在のローソク足(価格)より、未来に線が引かれているのが特徴です。一目均衡表の他にもボリンジャーバンドなど、たくさん線が表示されるチャートはありますが、将来の位置に線が引かれているというのは、とても珍しいです。

現在のローソク足の位置よりも、もっと先まで描かれているため、先行しているということで先行スパンと呼ばれています。

また、先行スパンは1と2があり、その1と2で「雲」を形づくっているのですが、どちらが先行スパン1で、どちらが先行スパン2なのか、見分け方は下記となります。

■先行スパン1
雲を形づくっている線のうち、凹凸が激しい方

■先行スパン2
雲を形づくっている線のうち、横這い状態が長い方

この2線の形を比較して、区別をつけて見分けていきます。

転換線と基準線

上の図の転換線がオレンジ色の線、基準線が紫色です。

この転換線と基準線はどちらもローソク足と一緒に上がって一緒に下がるという、価格と同じ動きをしやすいのが特徴です。そのため、遅行スパンや先行スパンとは違い、ちょうど現在のローソク足のところまで線が描かれています。

転換線と基準線の見分け方は、下記になります。

■転換線
ローソク足と一緒に上下する線のうち、ローソク足のすぐそばにある線
ローソク足の「恋人」とイメージすると分かりやすい

■基準線
ローソク足と一緒に上下する線のうち、転換線の外側にある線
ローソク足の「友達」とイメージすると分かりやすい

5つの線を復習しよう

以上が5つの線です。これでもうチャートを見た瞬間、どれがどの線かを分かって頂けたはずです。それでは、復習として下のチャートを見て、どれがどの線か考えてみましょう。

正解できたでしょうか?
答えを確認して見ましょう。



間違ってしまった方は、ここが一目均衡表を使いこなすためのスタートとなるので、しっかりと再確認をしてから進みましょう。

5つの線の計算式

前項でお伝えしたように、一目均衡表の5つの線は意味を理解していなくては使いこなすことは出来ません。それぞれの線はどのような計算式でできているのか理解する事で、その計算式より一目均衡表がどうやって買いシグナルや売りシグナルを見分けているのかが分かります。

かなり重要なところなので、ここをしっかり覚えましょう。

【5つの線の計算式】
▼遅行スパン
終値を26日過去にずらして描く

▼先行スパン1
基準線と転換線の半値を26日将来にずらして描く
※(転換線+基準線)÷2

▼先行スパン2
過去52日間の最高値と最安値の半値を26日将来にずらして描く

▼転換線
過去9日間の最高値と最安値の半値
※(最高値+最安値)÷2

▼基準線
過去26日間の最高値と最安値の半値

計算式の注意ポイント

■計算はすべて当日を含める
たとえば、先行スパンは「26日将来にずらして描く」と説明されますが、実際には25日将来に描きます。その他にも遅行スパンは「26日過去にずらして描く」と説明されますが実際には25日過去に描きます。

この日数の1日違いを間違えているチャートソフトがあるので、よく確認が必要です。特に海外のもの、たとえばmt4などが間違えているものが多いので注意しましょう。

■日足以外でも使える
日足のみでしか使用できないものと思っている人も少なくないのですが、他のテクニカル指標と同じように日足以外でも使えます。パラメーターも日足以外でも同様です。

日足以外の各線の計算式

▼遅行スパン
終値を26本過去にずらして描く

▼先行スパン1
基準線と転換線の半値を26本将来にずらして描く
※(転換線+基準線)÷2

▼先行スパン2
過去52本間の最高値と最安値の半値を26本将来にずらして描く

▼転換線
過去9本間の最高値と最安値の半値
※(最高値+最安値)÷2

▼基準線
過去26本間の最高値と最安値の半値

本数計算はすべて基準となる足を含めて計算する

一目均衡表の最大の特徴「雲」、その役割とは

一目均衡表の大きな特徴とされている「雲」は、ローソク足(価格)の動きを見る上で大切な役割をしています。要は、下がっている(下降トレンド)ときには、ローソク足は雲の下にいます。逆に上がっている(上昇トレンド)状態が安定しますと、雲の上へとローソク足は推移していきます。

また、雲は、「抵抗帯」として見ることが出来ます。この抵抗帯とは、簡単に言うとローソク足の上下の動きを遮るような力を加えます。

売買ポイントを押さえながら、雲の役割を図で解説していきます。

相場の持合い時

(※日足:6か月 以下、同)

まず、雲は大きな抵抗帯のため、抜けようとしてそう簡単には抜けることが出来ません。丸で囲まれた部分は、雲の中からなかなか抜け出せず、雲を中心にローソク足が上下している状態です。

このような相場が持ち合っている状況では、投資家たちは皆、買うか売るか迷っている場面です。そのため、買いか売りかのトレンドの判断がしづらいため、このような場面で新規のポジションを持つことはおすすめしません。

安定的な下降トレンド

その後、雲を下に抜けて安定的に下がっていきます。この間にもローソク足は上昇をしようとしますが、雲という大きな抵抗帯に上昇を遮られて、安定的な下降トレンドとなります。

安定的な下降トレンドは売りシグナルになります。チャート上にこのような安定した下降トレンドを見つけたら空売り(※1)で利益を得ましょう。ただ、株式投資では空売りを行うには、信用取引口座を持っておく必要があるので要注意です。

※1 空売り
空売りとは、証券会社から株を借りて売却し、その株が値下がりした時点で買い戻すことで利益を得る投資方法のことです。

その後、今度はローソク足が雲を上抜けて安定的に上がっていく、つまり上昇トレンドに入っていきます。この間にも価格が下降としようとしていますが、雲が下降を遮っています。

安定的な上昇トレンドは買いシグナルになります。チャート上にこのような上昇トレンドを見つけたら買いで利益を得ましょう。

これが、一目均衡表の動きです。だいたい、雲付近でローソク足は上下し、はじかれるというふうになりますが、一度雲を抜けてしまえば、そこからは安定的に上がる、または下がるといった動きを見せる傾向になります。

一目均衡表のダマシ対策

前項のようなことから、雲付近でローソク足が横ばい状態になっているところを見つけたら注意深く観察しておき、価格が雲を抜けたところが売買ポイントとなる事はお分かりいただけたかと思います。

ただ、投資に100%はないため、雲を向けたからといって、かならずしも安定して下降、または上昇するわけではありません。雲を一度上抜けて、買いだと思ったのにどんどん価格が下降してしまったり、その逆で、雲を下抜けて売りだと思ったのにどんどんと価格が上昇してしまう場合もあります。これを株式では「ダマシ」と呼びますが、一目均衡表ではこのダマシをチャート上から読み取ることができます。

この記事では、雲が上抜けた後のダマシに合わないためのチャート上から読み取る対策をお伝えします。取引で無駄な損を出さないためにも重要なポイントとなりますので、ぜひ覚えておきましょう。

【雲を上抜けた後のダマシ3つの対策】

    1、遅行スパンの上昇が数日以内にあること
    2、雲を上抜け後、数日以内に基準線が上昇すること
    3、雲を上抜け後、ローソク足の終値が基準線を下回らないこと

以上の条件が成立しない場合は、ダマシに合う可能性が高いため、もしポジションを持ってしまっていたら、すぐに手仕舞いましょう。

安定トレンドになるときの条件

完全に相場が安定的な上昇トレンドになったのを確認してから買っていては、トレンドが転換してからすぐに買うのでは取れる利益が大きく変わってきます。

だからこそ、上昇トレンドに変わったところで買うのがベストなのですが、実際にはダマシもあり、そう簡単には仕掛けるわけにもいきません。そこで、一目均衡表から見る失敗しない仕掛けの条件をお伝えします。前項でのダマシ対策と併せて覚えてもらえれば、失敗のない売買へ大きく近づくことが出来ます。

【失敗しない仕掛けの条件】

    1、底値から数日経過していること
    2、数日の上げを経ていること
    3、底入れ後の新高値を付けていること

(※この場合、窓を開けている上昇があればさらに良い条件となります。ただし、FXでは窓を開けるということはほとんどないため、FXの場合は大きな陽線としてチャートに表れます。)

上記の条件が3つ成立している場合は、ポジションを持っても問題ない状況と読んでいいでしょう。

このように、一目均衡表を使えば、ローソク足と雲の動きを見ただけで、売買のタイミングを逃さず取引が出来るようになります。

まとめ

複雑そうな見た目から、難しいと思われがちなテクニカル指標ですが、しっかりと使いこなすことが出来れば、価格の上がり始め、または下がり始めをしっかりと見つけることが出来るため、利益を大きく取ることが出来るようになります。この記事で、あなたはもう一目均衡表見方はバッチリになったかと思います。ぜひ、チャートで雲と価格の動きを見極めて、有利な取引をしていきましょう。
(この記事で解説している内容は、投資の学校が提供する小次郎講師の講義を元にしています。)

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