FXトレード

FXで成果を上げるために必要不可欠なチャート分析の4つの基礎ポイント

「FXを始めたいが、必ず出てくるチャート分析って何なの?」

チャート分析はどんな時に使うものなのか知りたい!」

「いまいちチャート分析が活用できていない・・・」

そんな風に思っている方は、FX初心者はもちろん、すでに長年FXをやってきた方にもたくさんいるでしょう。FXではチャート分析を使ってトレードをしたほうが、確実に有利に利益を上げていくことが可能です。というより、FXトレーダーでチャート分析を使っていない方はほとんどいないのではないでしょうか。多くのトレーダーが活用していることからも、FXにおいてチャート分析の重要性は分かりますが、実際に正しいチャート分析の使い方が出来ている個人トレーダーはとても少ないです。

正しくない使い方をしている人の多くは、「チャートがこの形をしたら買いだ、この形をしたら売りだ」といったチャートの動きのパターンだけを覚えて、その覚えたチャートのパターンがあらわれた時に売買しようとします。しかし、実際にはそのようなやり方では、チャート分析を活用できているとは言えません。そのままではFXで利益を出し続けていくのは難しいでしょう。

ここで必要なのは、なぜチャートがこの形になると買い(または売り)なのかということを理解した上でチャートを見ることです。また、なぜチャート分析を使うことが利益をあげるために有利に繋がるのか、という基礎の部分もしっかりと知っておくことです。この基礎の部分をしっかりと押さえることができれば、チャート分析の正しい使い方が出来るため、確実に利益を出しやすくすることができます。

この記事では、チャート分析を使うメリットやデメリット、そして、どのように活用するのが正しいのか、などの4つの基礎ポイントをお伝えしていきます。

チャート分析のメリットとデメリット

チャート分析とは、現在の相場の状況をチャートの動きをもとに分析し、将来の値動きを予測する手法のことをいいます。チャート分析の基礎となる4つのポイントを解説する前に、まずチャート分析のメリットとデメリットを覚えておきましょう。

■メリット
買うタイミング、売るタイミングを教えてくれる。
私たちが知ることが出来ない早耳情報でもチャートは教えてくれる。

■デメリット
完璧に将来を予測できるチャート分析はない。種類が多く、どう使ったらいいのかが分かりにくい。
チャート分析の売買シグナルにはたびたびダマシ(※1)がある。

※1 ダマシ
チャート分析には上昇シグナルが出ているのに上昇しない、下降シグナルが出ているのに下落しないというように、シグナルと実際の動きが一致しないことがあります。これをダマシと呼びます。

メリット1:売買タイミングを教えてくれる

チャート分析の主なメリットは、

・買うタイミングと売るタイミングをチャートが教えてくれる
・私たちが通常では知ることができない早耳情報でもチャートは教えてくれる

です。

この記事では、チャート分析の中でも最もポピュラーで代表的存在の「移動平均線」を例にあげて解説していきます。

まず、移動平均線とは、ローソク足(価格)の動きを滑らかにして、トレンドや売買タイミングを発見しやすくするというものです。移動平均線をもっと詳しく知りたいという方は下の記事にて詳細な解説をご覧いただけます。

FXや株式投資のみに関わらず移動平均線を制するものがチャートを制する!移動平均線を徹底解説】

下のチャート図(2012年11月~2013年5月の日足ユーロ/円)には、5日移動平均線と25日移動平均線を表示させています。どこの証券会社のチャートでも移動平均線を表示させてみると、初めから2本の移動平均線が出てくることが多いです。

 

 

この移動平均線で有名な売買サインが「ゴールデンクロス」「デッドクロス」というものです。

・ローソク足を25日移動平均線が下から上抜いたら「ゴールデンクロス」【買いサイン】
・ローソク足を25日移動平均線が上から下抜けると「デッドクロス」【売りサイン】
より詳しい解説は下記記事より読むことができます。
【ゴールデンクロスとは?|代表的な買いシグナルの3条件】

このチャート図を見ると、「ゴールデンクロスしたところで買って、デッドクロスしたところで売る」という移動平均線の出す売買サインのセオリー通りに売買をすると、ゴールデンクロスからデッドクロスまでの部分すべて利益として取ることができるわけです(図中赤丸部分参照)

 

 

すべてがこのように上手くいくわけではありませんが、大きなトレンドが発生した際には、このような見方をすることで分かりやすく、売買のタイミングを見つけることができます。

メリット2:通常知ることが出来ない早耳情報を教えてくれる

2つめのメリットとして、「個人トレーダーでは通常知ることのできない早耳情報でもチャートは教えてくれる」というのは、例えば、どこかの国でテロや自然災害が起こった場合、私たちはその出来事についてニュースを見て初めて知ることになります。しかし、そのニュースを知ってから「これからここの通貨が動くぞ!」と思っても、すでに円高(または円安)方向に振りきっているなどと手遅れなことが多く、利益を取り損ねたり、損をする可能性もあります。

しかし、そのニュース自体を知っていなくとも、チャートを見ていれば何かが起こったことを察知することが出来ます。

というのも、チャート分析とは、主にチャートの動きによって将来を分析する手法になります。チャートを見てなぜ将来の価格の動きが分かるのかというと、全ての材料はチャートの中に織り込まれていくからです。非常に良い買いの「材料(ニュース等)」や売り材料が現れた場合、または悪い材料が現れた場合でもすぐにチャートの中に織り込まれていきます。

そのため、ニュース自体を知らなくとも、チャートを見ていると、これは新たな買い材料が出てきたなとか、これが急に売られ出しているけど、何か新しい売り材料が出てきたのでは?ということが全てチャートを見るだけで分かります。そこに気づくことが出来れば、いち早く利益を得るための有利な売買の判断をすることも可能になります。このポイントについては第3項で詳しく解説していきます。

ただ、チャート分析には一般の人が知る事が出来ない早耳情報が分かるといったメリットがあるのです。

デメリット1:《完璧》な予測はできない

チャート分析の主なデメリットは、

・完璧な予測はできない
・種類が多い
・ダマシがある

です。

まず、チャート分析で導き出した売買シグナルが《絶対》だと思い込んでしまう方が結構いるのですが、学校のテストとは違い、相場において将来の値動きに答えはありません。そのため、将来の値動きを《完璧》に予測できる人やツールももちろんありません。

第2項で詳しく解説しますが、あくまで現在の相場の状況から、利益をとれる可能性が高い方(買いか売りか)を教えてくれるのがチャート分析です。完璧ではないと言うと物足りなく感じるかもしれませんが、この利益のとれる可能性が高い局面を分かっていて取引するのとそうでないのでは、取れる利益に大きな差が出ることも事実です。あくまで「確立」ではありますが、有利な取引ができる可能性は高まります。

デメリット2:種類が多い・ダマシがある

初心者の方がチャート分析をしようと思っても、一番初めにつまずくポイントは、分析に使える指標の種類が多すぎるところです。数にすると何十個もあるため、どれを使えばいいか分からないというところで面倒くさくなってしまいますね。

まず、チャート分析に使う指標にも大きく分けると、トレンド系指標とオシレーター系指標という2種類に分かれます(図参照)

 

 

 

 

それぞれ、ポピュラーな指標を紹介しました。

始めのうちは、トレンド系指標を使って分析していったほうが分かりやすいでしょう。ただ、個々の指標にも長所と短所があるため、分析の正確性をさらに高めたい場合は、短所を補えるような指標を組み合わせて使うことをおすすめします。特に、価格変動に敏感な指標などは、頻繁に売買シグナルを出すため、ダマシが多くなり、損が積み重なっていってしまう場合もあるので、要注意です。

◇◇それぞれの指標の短所◇◇
【トレンド系指標】
オシレーターに比べると、売買シグナルが出るのが遅く、発生したトレンドの勢いが弱ければその反応の遅さが特に影響します。そのため、エントリーの判断ができる状態になったときにはすでに遅く、価格のロスが多いことが欠点となります。【オシレーター系指標】
強いトレンドが発生すると天底に張り付いてしまい、そこから動かなくなってしまうためサインとして役に立たなくなってしまう場合もあります。トレンド系と比べると、反応が良すぎるため、頻繁に売買シグナルを出すのでダマシが多くなることが欠点となります。

最初から複数の指標を使っての分析だと考えることが多くなり難しいかもしれませんが、慣れてくれば余裕が出てきて指標を組み合わせて分析をするといったこともできると思いますので、ぜひ試してみましょう。具体的な組み合わせについては、第4項で詳しく解説していきます。

【ポイント1】現状を分析しエッジを見つけ出す

メリットとデメリットを知った上で、チャート分析を使う際に、絶対に覚えておいてほしいのは、「将来を予想することよりも現状を分析する方に重要性がある」という点です。そして、現在の相場を分析する中で、利益を得るために有利な動きをしている、《エッジ(※2)》がある状態を探し出すことが基本です。

※2 エッジ
エッジとは強み、有利さ、優勢ということです。
相場には絶対・完璧・完全ということがないため、わずかな強み・有利さ・優勢さ、つまり《エッジ》を自分のトレードに取り入れることがトレードでの成功につながるといってもいいでしょう。

大前提に「完璧な予測は無理」

まず、大前提としてチャート分析を使っても、今後の価格を完璧に予測することは無理です。はじめに、なぜ利益を出すためにチャート分析を使うと有利になるのかというところを理解してください。

まず、価格は、売り手と買い手のバランスで決まっています。そして、価格が決まった時点では、売り手と買い手はほぼ等しく張り合っている状態です。それはつまり、今後の価格が上がるだろうと考えているトレーダーと、下がるだろうと考えているトレーダーの数がほぼ等しいことになります。

 

 

ところが、「今後ここまで価格が上がるだろう」と予想していたラインを超えた時(または「ここまで価格が下がるだろう」と予想していたラインを割り込んだとき)、売り手と買い手のバランスが崩れ、買い方優勢(または売り方優勢)という状況が一時的に発生します。それを買い(または売り)にエッジがあると言います。

 

 

チャート分析を使うことで、今後の価格が買いなのか売りなのかという、エッジがある状態を見つけ出すことができるため、売買の判断がしやすくなります。

例えば、下の図は第1項で解説した移動平均線を使ってこのチャートを見た場合です。移動平均線でチャート分析をする際の有名な売買サインである、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」がトレンドが発生するタイミングではっきりとチャート上に表れています。

 

 

このようにエッジを見つけ出して、有利に取引を進めていくためには、チャート分析は欠かせません。ただ、先にも伝えた通り、忘れてはいけないのが「チャート分析はあくまでもエッジがある状態を見つけ出すというものである」ということです。

買い(または売り)が優勢になる可能性が高いところを見つけ出すことはできますが、将来の値動きを《完璧》に予測できる手法ではないということを十分に覚えておきましょう。

チャート分析で発見し、ファンダメンタルズ分析で確認

チャート分析で利益を上げるといっても、チャートだけを見ていればいいというわけではありません。ファンダメンタルズ(※3)による相場分析も相場全体の値動き、これからの動向を見るためにはかなり重要なポイントとなります。

※3 ファンダメンタルズ
主に経済成長率(GDP)や雇用系指標(失業率や新規雇用者数など)、物価指数(CPI・PPIなど)、国際収支(経常収支・貿易収支など)、などの経済指標から見る事ができます(株価の場合には企業の業績、財務状況など、会社四季報でも確認できる)。金相場や原油相場を代表する商品相場もファンダメンタルズの要因に含まれています。これらは国家の状態や、企業の状態を表すため「ファンダメンタルズは為替や株価を動かす要因」として考えられています。これらの要因を含めた上で行うファンダメンタルズ分析とは、「経済指標や経済に関するニュースの影響によって為替相場が変動している」という考えをもとにして相場分析をする方法です。つまり、経済指標やニュースを分析することで、今後の相場の動きを予想していくということです。

チャート分析に比べるといろいろな情報を集めなくてはいけないので難しそうな印象を受けますが、普段から経済についてニュースや本、新聞などで知識を得ている方にとっては、FX初心者でも十分に使える情報となります。今まで経済に全く興味がなかった方も、FXや株をやっていくのであれば、必ず必要な知識となりますので、この機会に経済指標や経済に関するニュースに目を向けてみましょう。

ファンダメンタルズを売買判断の1つにすることが出来れば、分析の正確さは格段に上がります。ファンダメンタルズの情報については、経済指標やニュース、新聞などで得ることが出来ます。基本的にニュースなどの経済情報は無料で手に入れられる情報で十分です。

下記で、無料で閲覧できるサイト(※4)を紹介しているので参考にしてみてください。

まず、チャート分析で買い(または売り)のシグナルを発見したら、一旦ファンダメンタルズにどのような変化が起こったのかを確認する、といった癖をつけておくこともいいかもしれません。逆に、ファンダメンタルズ分析をしていて大きな価格変動を起こしそうなニュースを発見した場合は、それが正しければチャートにも必ずその影響が表れてきます。もし、チャートに何も影響が出てこない場合は、それは大した情報ではなかったということだということになります。

仮にテクニカル分析では買いシグナルが出ていて、ファンダメンタルズ分析では売りシグナルが出ているといった、異なる売買シグナルを出している場合は、はじめからポジションを持つのをやめるか、すぐに市場から逃げられる準備をしたうえでポジションを持つのが鉄則です。

※4  無料で閲覧できる情報サイト4選
◇日本財務省
日本の財務省のサイトです。財務大臣・副大臣の記者会見や声明・ステートメント、財務省広報誌「ファイナンス」、週間予定など、広報室から発信している情報を手に入れる事ができます。FX初心者が経済について調べる最初の一歩となる情報がつまっています。◇REUTERS ロイター
FXの相場状況だけでなく、世界のニュースや経済状況、株式についての情報も紹介している日本語版ロイターです(英語版もあり、英語版のほうが情報が早く内容も濃い傾向があります)。さらには著名アナリストなどによる現在の相場状況の見方も掲載されているので、FX初心者の方には特におすすめの毎日目を通してほしいサイトです。

◇日本経済新聞
しっかりと読み込むには、有料となってしまいますが、無料登録をすれば月間20本までの記事は無料で読む事ができます。日本の経済情報を中心とした新聞社ですが、その記事が相場を動かす材料になる事もある日本の有力紙です。購読料のキャンペーンが行われる時があるので、運が良ければお得に情報を得ることもできます。

FX為替経済指標で勝つ
FX初心者にとって非常に役に立つ経済指標の過去の結果やグラフが掲載されているサイトです。FX初心者の方からすれば、現在の経済指標だけを見ても何が良くて何が悪いかが分かりません。このサイトでは世界中の経済指標がまとめられていたり、週間の経済指標カレンダーの指標名をクリックする事で、過去5年分の経済指標の結果やグラフを見る事ができるので、チャートも指標も現在と過去を比較することも可能です。

【ポイント2】
価格を変動させる材料が出たら必ずチャートに影響が表れる

株でもFXでも、価格を変動させるすべての情報を瞬時に把握することは、継続的に利益を得ているような投資家でも不可能です。ところが、価格変動につながる材料があらわれた場合、それは必ずチャート上に目印となって表れます。

そして、あらわれた材料が価格に大きな変動を与えるものであればあるほど、チャート上にも大きな目印となってあらわれ、読み取ることができるのです。

大きな材料が表れたチャート例

分かりやすい例として、2011年3月11日に東日本大震災が発生した際のチャートを紹介します。大きな被害をもたらしたこの災害により、為替市場でも大きな価格変動が起きたのですが、この時に一番利益を得たのは、この災害をまったく知らない海外のチャート分析をしているトレーダーたちでした。

日本で大震災が起こった場合、日本が大変なことになっているわけですから円が下落する(円安になる)ということは、ファンダメンタルズ分析でも簡単に予測がつきます。なぜかというと、景気が悪くなるわけですから、物は売れません。しかし、東日本大震災の時に為替は一時大変な円高になりました。

ファンダメンタルズ分析では、現在の価格の動きを細かに分析する手法ではないため、この災害の発生の直後に為替が大きく円高に振れたのを予想できた人はいなかったはずですが、災害の直後にチャートでは明確に円高の道筋を表していました。そして、その円高で大きく利益を上げたのは、海外のチャートを使っている、チャート分析のアナリスト達でした。

下の図を見てみましょう。この図は5分足を使用しています。

 

 

3月11日の午後2時46分、東日本大震災が起こりました。金曜日の午後2時46分ということで、株式市場はあと少しで終わりでしたが、為替の市場は24時間取引のため、翌日の土曜日の朝まで市場が開いていました。

地震が起こったため、日本のファンダメンタルズのトレーダーが為替(円)を売りました。そのため、円安の方向に上がっています(丸で囲まれた部分)。上の方に向かっているのは、円安ということです。ただ、あっという間に、円高方向にぶれていきました。

 

 

このチャート図には、HLバンドという線が引いてあります。

HLバンドとは【過去5時間の最安値、最高値】のところに線を引いており、チャート分析ではその過去何時間かの最安値を切ったら、売りサインと捉えます。逆に、【過去5時間の最高値】を超えたら、買いサインと見ます。

こういう基本的な見方をするチャートです。

そのまま、みるみると円高の方向に動き出して、過去5時間の一番の最安値を超えました。そのため、ここで海外のテクニカルアナリスト、為替のチャートのトレーダーたちは、大きな材料が表れたと考え、売りを仕掛けだしたのです。ヨーロッパ時間の19時の時点で大量の売りが出てきました(赤丸で囲ってある部分)。

 

 

ヨーロッパでこの大量の売り物が出てきた時に、このヨーロッパで売りを仕掛けた人たちには、その日のうちですから、極東の日本でどんな被害が起こっていたかといった情報はは届いていません。つまり、日本で地震が起こったことは、誰も知りません。

災害を知って売っていたわけではなくて、あくまでチャートを見て売っていたわけです。

そして、次には夜の24時にアメリカ市場がオープンしました。アメリカ市場では、このチャートの動きを見て、アメリカ市場のチャート分析をしているトレーダーたちが売りを仕掛けてきました。

 

 

それから、どんどん円高の方向に動いて土曜日の17時30分に取引は終了しました。その後、週明けの月曜日に日本市場がスタートし、どんどん円高になっていき、その後3日間で76.43円まで円高になりました。

急な材料にも反応できる

東日本大震災時のこの大幅な円高で利益を取った人は、チャート分析をしているトレーダーだけでした。このように、たとえ海外で起こったことなど、通常であれば一般人の私たちがすぐに手に入れることが出来ない情報でも、チャートからは、確実に「価格に大きな影響を与える何かが起きた」ということを読み取ることが出来ます。

つまり、チャートを見ていれば、何が起こったかは知らずとも、いち早く材料が織り込まれた最新の情報を手に入れることが可能となります。

【ポイント3】チャート分析で使う指標は2種類

チャート分析で使う指標にはトレンド系とオシレータ―系の2種類があります。

このトレンド系とオシレーター系の指標は、全く違う観点で相場を見ます。相場の状況によってどちらが有効に活用できるか等があるため、トレンド系とオシレーター系のテクニカル分析を組み合わせて使っている人が多いです。

相場の上昇・下降を調べるトレンド系指標

上昇トレンドの過程で買いサイン、下降トレンドの過程で売りサインを出すのがトレンド系の指標の特徴です。そのため、トレンド系の指標はトレンドフォロー(※5)のトレードで使います。

トレンド系の指標は、ローソク足の上に重ねて描写するのが一般的です。
下記のようなイメージです。

(例 移動平均線)
3-2_1

■主なトレンド系指標
移動平均線、一目均衡表、パラボリック、HLバンドなど

※5  トレンドフォロー
上昇トレンドがあると思えば買い、下降トレンドがあると思えば売る、トレンドの流れに乗って利益を上げるタイプのトレード手法です。

買われすぎや売られすぎを調べるオシレーター系指標

相場を見て、買われすぎや売られすぎを判断するのがオシレータ―系の指標です。買われすぎとみると売りシグナルを出し、売られすぎると買いシグナルを出すのがこの指標の特徴です。トレンドフォローとは逆の発想で、基本的に逆張り(※6)時に使います。

オシレータ―系の指標はローソク足の下に別枠を設け、折れ線グラフで表示するのが一般的になっています。下記のようなイメージです。

(例 ストキャスティクス)
3-2_1

■主なオシレータ―系の指標
RSI、ストキャスティクス、RCIなど

※6 逆張り
一般的にみんながやっている上昇トレンドの時に買い、下降トレンドで売るといった行為を「順張り」と言います。しかし、そういった状況とは逆に上昇トレンドで売り、下降トレンドで買う、この行為を「逆張り」といいます。

2つの指標が異なるサインを出す場合もある

相場が上昇していくと、トレンド系の指標は買いシグナルを出す一方で、オシレータ―系の指標は相場の買われすぎを感じ取り、売りシグナルを出します。そのため、同じ状況でもトレーダーはトレンド系とオシレータ―系で異なるシグナルを目にすることになります。

こうした状況は、大きなトレンドが発生すると遭遇しやすくなります。このような状況になったときは、慌ててとにかく手仕舞ってしまおうとするのではなく、そろそろ反動が出てくるかもしれないと注意して相場を観察することが基本です。

オシレータ―系が売りシグナルを出しているのは、相場が大きなトレンドが発生して勢いがあるという証拠でもあります。オシレータ―系の売り(または買い)シグナルは注意信号が出たというふうに捉えて、今後の動きに備えましょう。

【ポイント4】チャート分析と「確率」を利用する

相場に必勝法は存在しません。どんなに情報を手に入れても勉強をしても未来の値動きが予測できるようにはなりません。しかし、チャート分析を極めれば、FXでコンスタントに利益を出し続けることができやすくなります。個人トレーダーが狙い澄まして勝ちやすくなる唯一の方法が「チャート分析を利用して大数の法則で勝つ」というやり方です。

■大数の法則
【ある一定の確率は少ない試行回数では、確率通りにならないが、試行回数を重ねれば重ねるほど、確率通りの結果が得られるようになる】という科学的な根拠のある理論です。ですから、6:4で勝てる勝負があるとしたら、6の方に賭け続けることで最終的には絶対に勝つことができるのです。例えば、サイコロを振って「1」の目が出る確率は6分の1です。だからと言ってサイコロを6回振れば必ず1回は「1」の目が出るというわけではありません。10回、20回と振っても一度も「1」の目が出ない場合もあります。しかしこれが1000回、10000回と振ると「1」の目は極めて6分の1に近い確率で出現するのです。これが大数の法則です。

「エッジ」の重要性

サイコロの「1」の目が出たら掛け金は10倍、その他の目が出たら掛け金は没収、という賭けがあったとします。これは有利な賭けで、こういう賭けを「エッジがある」といいます。ただしエッジのある賭けでも、賭ける回数が少なければ勝てるとは限りません。6回振って「1」が1回も出なければ負けてしまうからです。ところが、回数が多くなれば大数の法則に従って「1」の出現率は限りなく6分の1に近づくので、賭け続ければ最終的にはトータルで賭けに勝つことが出来るのです。

どんな投資でもエッジのある取引を続けなければコンスタントに利益を得ることは出来ません。

トレードにおける勝利の方程式

チャート分析の目的は価格変動の中で、買いまたは売りに「エッジがある状態」を見つけ出すことです。そして「エッジがある状態」とは、買いと売りの勢力のバランスが崩れている状態を意味します。価格変動の中でそういった瞬間を見つけ出すのがチャート分析です。そしてその見つけ出した優勢な方に賭けていくのがトレードにおける勝利の方程式です。

もちろん、エッジのある方に賭けても外れることはいくらでもあります。でも、一度や二度外れたからと言って諦めては、そこで負けが確定してしまいます。何十回、何百回と当たり外れを繰り返していくうちに、気が付いたら利益が上がっていたというのが大数の法則、つまり確立を利用した勝ち方なのです。

まとめ

個人トレーダーが利益を得続けていくためにはファンダメンタルズ分析だけでは難しく、やはりチャート分析が重要となります。ただチャートのパターンを覚えて理由もなく使うというスタンスではなく、この記事でご紹介した4つの基礎ポイントを意識して、利益を上げるための基盤としていただけると幸いです。

また、今回例としてご紹介させていただいた移動平均線について、もっと深く学びたいという方はこちらをご覧ください。

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どれも10分ほどで学べる内容になりますので、通勤時間や寝る前のちょっとした時間にご覧ください。

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