“グランビルの法則”とは、アメリカの著名な株式アナリストであった、ジョセフ・E・グランビルが考案した移動平均線を使ったチャート分析です。
グランビルの法則は、1960年代にジョセフ・E・グランビルの著書「グランビルの投資法則」にて発表されました。それから、約50年以上経過した今もなお、世界中のトレーダーが学ぶ重要なチャート分析の方法です。
そして、移動平均線を使ったチャート分析の基本でもある、グランビルの法則により、投資初心者でも一目で売買サインを発見できるのです。
グランビルの8法則
グランビルは、「グランビルの8法則」という移動平均線を用いたトレードでは、8つの売買サインが存在することを発見しました。
以下の図に示したものが、8つの売買サインのポイントです。
◇買いサイン
① 移動平均線が下落した後、横ばいまたは上昇し始めた局面で、
価格が移動平均線を下から上に突き抜けたとき
② 移動平均線が上昇している局面で、価格が移動平均線を上から下に突き抜けたとき
③ 移動平均線より上にある価格が一度移動平均線に近づくが、再度上昇し始めるとき
④ 移動平均線が下落している局面で、価格が移動平均線からかい離しているとき
◇売りサイン
① 移動平均線が上昇した後、横ばいまたは下落し始めた局面で、
価格が移動平均線を上から下に突き抜けたとき
② 移動平均線が下落している局面で、価格が移動平均線を下から上に突き抜けたとき
③ 移動平均線より下にある価格が一度移動平均線に近づくが、再度下落し始める時
④ 移動平均線が上昇している局面で、価格が移動平均線からかい離しているとき
ゴールデンクロスとは
●ゴールデンクロス
下落していた価格が、横ばいまたは上昇に転じている時に、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜けたポイントです。
ゴールデンクロスは、重要な買いサインの一つです。ゴールデンクロスが出るまでは、買い手が不利、売り手が有利の状態であったものが、ゴールデンクロスを境に立場が逆転し、買い手有利の局面となります。
この変化によりエッジが発生し、買いのチャンスが生まれるのです。
以下の図は、実際のチャートに発生したゴールデンクロスです。
デッドクロスとは
●デッドクロス
上昇していた価格が、横ばいまたは下降に転じている時に、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜けたポイントです。
デッドクロスは、重要な売りサインであり、ゴールデンクロスの真逆だとイメージしてください。デッドクロスが出るまでは、買い手有利、売り手不利の状態であったものが、デッドクロスを境に立場が逆転し、売り手有利の局面となります。この変化によって、エッジが発生し、売りのチャンスが生まれます。
以下の図は、実際のチャートに発生したデッドクロスです。
グランビルの法則の注意点
前項までの内容では、グランビルの法則を活用することで、ゴールデンクロス、デッドクロスといった“買いサイン”“売りサイン”が一目で分かるという、長所について解説しました。
しかし、ゴールデンクロスとデッドクロスは、必ずしも当たるわけではなく、短所もあります。
そのクロスが本当に有効な買いサイン、売りサインであるのか判断しなければいけません。
そこで、クロスを判断するときに、どのような点に注意するべきか解説していきます。
ダマシのクロス
●ダマシのゴールデンクロス
長期移動平均線が下降している局面で価格が上昇し、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜けたときは、“ダマシのゴールデンクロス”と考えられます。
なぜなら、前項でお伝えしたように、買いサインとなるゴールデンクロスは「下落していた価格が、横ばいまたは上昇に転じている時に、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜けたポイント」であるため、この条件に当てはまりません。
そして、このクロスが本当にダマシであるか判断するには、2回目のクロスが重要となります。一度上に突き抜けた短期移動平均線が、次に長期移動平均線を上から下に突き抜ける、つまりデッドクロスが出れば、先ほどのゴールデンクロスはダマシだったと判断され、売りのチャンスとなります。
ここで気を付けてほしいのは、2回目のクロスがなく、1回目のクロスがそのままゴールデンクロスになることがあります。
そのため、初心者の方は1回目のクロスがダマシのゴールデンクロスだと思っても、2回目のクロスを迎えるまでは、売りのポジションを持つことは避けた方が安全です。
●ダマシのデッドクロス
これは、ダマシのゴールデンクロスの逆のパターンです。
長期移動平均線が上昇している局面で価格が下降し、短期移動平均線が上から下に突き抜けたとき、“ダマシのデッドクロス”の可能性があります。
売りサインとなるデッドクロスは、「上昇していた価格が、横ばいまたは下降に転じている時に、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜けたポイント」だからです。
そして、1回目のクロスで下に突き抜けた短期移動平均線が、再度上昇し、長期移動平均線を下から上に突き抜ける、つまりゴールデンクロスとなれば、1回目のクロスはダマシのデッドクロスであり、買いのチャンスが来たと判断できます。
ダマシのゴールデンクロスと同様に、2回目のクロスを確認してから、買いのポジションを持つように意識しましょう。
ゴールデンクロスもデッドクロスも、本物かダマシか区別する際は、長期移動平均線の傾きに注意してください。
もし、本物のゴールデンクロスであれば横ばいまたは上昇し始めており、ダマシであれば安定下降しているはずです。
反対に、本物のデッドクロスであれば横ばいまたは下降し始めており、ダマシであれば安定上昇を続けているはずです。
押し目買いと戻り売り
●押し目買い
価格が安定上昇している移動平均線の上にいる状態から、価格が下落し移動平均線に接近していくが、クロスすることなく、再び上昇することを言います。
そしてこれは、買いサインとなります。
押し目買いを見極めるポイントは、価格が長期的に見て上昇しているかどうかです。価格が安定上昇している中、一時的に下落したのであれば、押し目買いだと判断できます。
●戻り売り
価格が安定下降している移動平均線の下にいる状態から、価格が上昇し移動平均線に接近していくが、クロスすることなく、再び下落することを言います。
そしてこれは、売りサインとなります。
戻り売りを見極めるポイントは、価格が長期的に見て下降しているかどうかです。価格が安定下降している中、一時的に上昇したのであれば、戻り売りだと判断できます。
移動平均線の日数
ゴールデンクロスとデッドクロスを見つける際に、短期と長期の2本の移動平均線を用いることで簡単に見つけられることができます。
しかし、移動平均線の日数は数多くあり、どの日数を使うかによってゴールデンクロス、デッドクロスの出所が変わるという欠点があります。
図A
図B
AとB、2つのチャートは、同じ銘柄の同じ日時のチャートを映したものです。
Aのチャートに描かれている移動平均線は、短期が5日移動平均線、長期が25日移動平均線です。図の中央部にゴールデンクロスが発生しているのが分かります。
一方、Bのチャートに描かれている移動平均線は、短期が25日移動平均線、長期が75日移動平均線です。すると、2つの移動平均線がクロスする時期が異なります。
どの組み合わせが良いということはなく、トレードをする頻度や時間などで、用いる移動平均線の日数は人それぞれ異なります。
これが、移動平均線の欠点です。何日の移動平均線を組み合わせるかによって、売買サインの発生時期が異なるため、移動平均線だけで売買のタイミングを判断することは難しいといえます。
まとめ
グランビルの法則により、移動平均線を用いて売買サインを一目で判断できます。
しかし、それらのサインは絶対ではなく、ダマシであったり、何日移動平均線を組み合わせるかによってクロスの発生時期が異なるなど、移動平均線には欠点もあります。
そのため、信頼性を高めるためには、その他のテクニカル指標と組み合わせることで、より精度の高いテクニカル分析が行えるようになります。
それでも、移動平均線はどの証券会社のチャートソフトにも用意されており、
「チャート分析の王様」とも言われています。
なぜなら、シンプルであるため初心者でも使いやすく、なおかつ有効性が高いことが理由として挙げられます。
グランビルの法則に沿って、移動平均線を使ったチャート分析を学ぶことで、初心者でも投資で利益を出せるようになるでしょう。
そしてグランビル法則の他にも、”あるもの”を活用することでトレンドを読み取ることができ、相場の売買ポイントがすぐに分かるようになるものがあります。この”あるもの”を知りたいという方はこちらをご覧ください!
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どれも10分ほどで学べる内容になりますので、通勤時間や寝る前のちょっとした時間にご覧ください。