株式投資

乖離率とは?|株初心者でも分かりやすい見方・使い方

乖離率とは、移動平均線から株価がどの程度離れて(乖離して)いるかを数値化した指標です。そのため、移動平均線が上昇しているか下降しているかを見るのではなく、株価と移動平均線の離れ具合(乖離率)だけに注目します。株価と移動平均線の乖離があまりにも大幅になった場合、それはその後必ず修正されて、株価と移動平均線はまた近づくという法則に基づいて、売買タイミングなどを見ることが出来ます。

しかし、乖離率のみでは売買のシグナルを読むことはできても確実な判断条件としては弱く、ダマシに合う可能性が高いため、ほかのテクニカル指標と組み合わせて使うことが一般的です。

その中でもポピュラーなもので、「移動平均線乖離率」があります。ただ、乖離率はオシレーター系指標の中でもシンプルなものなので、比較的簡単にマスターすることができるでしょう。

「移動平均線乖離率」などのように、その他のテクニカル指標とうまく組み合わせて使うために、ベースの知識として知っておいて損はない指標です。この記事でぜひマスターしてしまいましょう。

計算方法

計算方法は以下のようになります。ただ、どこの証券会社のチャートシステムにも乖離率はあるので、簡単に表示させることが出来ます。そのため、しっかりと覚えなくてはいけないというわけではありませんが、仕組みとして、こういった算出方法なのだと軽く目を通しておいてもらえればOKです。

当日の株価(終値)から当日の移動平均値を差し引いて、当日の移動平均値で割ります。

例えば、下の図のように移動平均が1,000円で、株価が1,050円の場合、乖離率は5%と計算されます。株価が移動平均と同じなら、乖離率は0%です。


株価が移動平均よりも高ければ、乖離率はプラスの値になります。そして、株価が移動平均線よりも安ければ、乖離率はマイナスの値になります。また、株価が移動平均線から大きく離れているほど、乖離率も大きな値を取ることになります

なお、乖離率は日足や週足で使うのが一般的なため、デイトレードやスウィングトレードなどを行う短中期型の投資家に向いています。

一般的な株価の乖離率の使用日数
■日足
10日、25日、75日

■週足
13週、26週

乖離率の見方・使い方

株価は上がったり下がったりしますが、移動平均線からそう大きく離れる(乖離する)ことはあまりありません。しかし、時には株価が急騰(あるいは急落)して、移動平均線から大きく乖離することもあります。(図参照)


ただ、移動平均線から大きく乖離した状態がいつまでも続くことは基本的にはなく、いずれは急騰(あるいは急落)が収まって、株価は移動平均線に近づきます。株価が移動平均線から大きく離れると、乖離率もプラスの大きな値を取ります。そこで、そのような状況になったら、利益確定のために売ると良いでしょう。逆に、株価が移動平均線から大きく離れて、乖離率がマイナスの値を大きく取ったら、空売りした株を買い戻して利益確定すると良いでしょう。

この考え方は、グランビルの法則の4番目そのものに当たります(→記事へ)。どのくらい乖離したら買い(または売り)になるかということは、過去の乖離率の動きから判断します。

例えば、過去の乖離率の分布が-10%~+10%の範囲にほぼ収まるなら、乖離率が+10%を超えたら売り、-10%を超えたら買い戻しと判断します。

乖離率を使った売買タイミングの判断例

【ビックカメラ(3048)の2011年12月~2013年3月の日足チャート】

このチャート図は、ビックカメラ(3048)の2011年12月~2013年3月の日足チャートに、25日移動平均線と、そこからの乖離率を入れたものです。

これを見ると、乖離率が大きく+5%を上回ることや、-5%を下回ることは、ほとんどないことが分かります。したがって、この例では乖離率が大幅に+5%を上回ったら、とりあえず持ち株は売って利益確定しておく方が無難だと言えます。逆に、乖離率が大幅に-5%を下回ったら、空売りした株は買い戻しておく方が確実です。

また、株価の上下と乖離率の上下は、ほぼ一致している傾向があります。乖離率が目先の天井を打ったところに点線のマークを入れてありますが、そのときには株価も目先の天井にほぼ一致していることが分かります。逆に乖離率の目先の底の位置と、株価の目先の底の位置も、一致する傾向があることがわかります。

チャートの「1」のように、乖離率の天井と株価の中期的な天井がほぼあうこともあります。その逆で乖離率の底が株価の中期的な底に合うこともあります。

ただ、図中の「2」の部分のように、乖離率はだんだんと下降しているにもかかわらず、株価は横ばいで推移して、株価と乖離率が連動しないといったことが起こることもあります。これは株価が急激に上昇(または下落)した後に横ばいの動きになると、移動平均線が株価に徐々に接近してきます。そのため、乖離が収まっていって、株価と乖離率が連動しないといった現象が起こるためです。

乖離率とエンベロープ

株価が移動平均線から極端に乖離することは少ないので、移動平均線からある程度乖離した位置に線を引くと、その範囲内に株価の動きがほぼ収まることになります。このようにして引いた線のことを、「エンベロープ」と呼びます。

例えば、株価の移動平均線からの乖離が、傾向的に±10%の範囲内に収まりやすいとしましょう。その場合、移動平均線+10%と-10%の位置に引いたエンベロープは、それぞれ上値抵抗線/下値支持線のような動きをすることになります。

上の図は、先ほどのビックカメラ(3048)のチャート、25日移動平均線の上下5%の位置にエンベロープを引いた例です。このチャートを見ると、株価はエンベロープの中に大抵が収まっていることが分かります。

ただ、エンベロープの中に収まってはいても、株価は動きが穏やかになったり激しくなったりしています。エンベロープでは単純に移動平均線から一定率乖離したところに線を引くだけなので、株価の動きの大きさはあまり反映されず分かりにくいといったデメリットがあります。

そのため、売買タイミングを見極めるには、エンベロープよりも、「ボリンジャーバンド」の方が、より確率が高いと言えます。

まとめ

冒頭でもお伝えした通り、乖離率のみを使って売買をするのではなく、その他のテクニカル指標と併用して使うことで、売買シグナルだけでなく、売買タイミングの確実な判断条件を見つけることが出来るため、ダマシに合う可能性が低くなります。そのため、乖離率を活用したい場合は、ほかのテクニカル指標と組み合わせて使いましょう。一般的には「移動平均線」との組み合わせである「移動平均線乖離率」がポピュラーです。

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