FXトレード

IFOとは?|チャートに張り付く時間ない方必見の注文方法

一般トレーダーの多くは本業の仕事があり、1日中パソコンの前に張り付いてチャートを見ることは難しいでしょう。

・チャートは1日数回、決まった時間にしかチェックできない。
・トレードできるのは仕事から帰宅してから、夜中にかけての数時間。

仕事をしている多くの方が、このような環境でトレードをされていると思います。
自分がチャートをチェックできる時間帯に大きな値動きが発生し、トレンドが形成されればタイミング良くトレンドに乗ってエントリーできるかもしれません。または、ポジションを持っていればタイミング良く手仕舞いできるかもしれません。
しかし、仕事中や寝ている間に相場が大きく動くということは多々あります。それによって、トレンドを取り損ねたり、手仕舞いのタイミングを逃して、利益を取り損ねたり、損切りが遅れて損失を余計に増やしてしまうことがあります。

そこで、今回は1日中パソコンの前に張り付いてチャートをチェックすることができない方に、特にオススメなIFO注文について、基本的なノウハウから、証券会社の売買システムで実際にIFO注文を発注するまでのフローを詳しく解説していきます。

IFO注文とは?

まずは、IFO注文の仕組み、特徴について解説します。
IFO注文が一体どのような注文方法なのか、どのような局面で有効活用できるのかを詳しくお伝えします。

IFO=IFD+OCO

IFO注文は、1つの新規注文と、2つの決済注文を同時に発注することができます。
これは、IFD注文OCO注文という、2つの注文方法の特徴を合わせた注文方法と言えます。

IFD注文
IFD注文とは、“If Done”の略称で、
「もし注文が成立したら~」という意味です。
IFD注文は、同時に新規注文と決済注文を出し、新規注文が約定すると、決済注文が自動的に有効となります。
IFD注文の詳細はこちら

OCO注文
OCO注文とは、2つの注文を同時に出しておき、
一方の注文が成立すると、もう一方の注文が自動的に取り消しになるという注文方法です。
今後の相場の方向性が読めず、「ここまで上がったら利益確定したい」「ここまで下がったら損切りしたい」といったように、あらかじめ利益確定のポイントと損切のポイントの両方を決めておき、その両方に注文を出すことができます。
OCO注文の詳細はこちら

つまり、IFO注文は、新規注文の約定と、「利益確定の決済注文」と「損切りの決済注文」の3つの注文を同時に発注することができるのです。

IFO注文の活用例

下の図で、一番右足のローソク足が現在の価格です。
このとき、以下のような条件でIFO注文を設定します。

●価格が107円まで上昇したら買い注文を実行

●予想通りに、価格が107円まで上昇して買い注文が約定したら…
①もしも、そのまま価格が上昇し、117円に達したら利益確定の決済注文を実行
②もしも、価格が下落し始め、103円まで下落したら損切りの決済注文を実行

そして、価格の推移を見てみると、下図のように価格は107円に達したところで買い注文が約定されます。この後は、価格が117円まで上昇し続けて利益確定の決済注文か、逆に価格が下落し始め、103円まで下がってしまうと損切りの決済注文が実行されます。

107円で買い注文が約定された後、価格は堅調に上昇し続け、117円に達したところで利益確定の決済注文が実行されました。一方、利益確定の注文が実行されたことで、103円で入れていた損切りの決済注文は自動的にキャンセルされます。

 

IFO注文を有効活用するために知っておきたいこと

前項までの内容で、IFO注文が3つの注文を同時に出せることはご理解いただけたと思います。
では、実際のトレードでIFO注文を有効活用し、確実に利益を確保したり、損失を限定させるために知っておくべきポイントを紹介していきます。

IFO注文を活用するときはシナリオを描く

IFO注文の特徴は、新規注文と2つの決済注文、合計3つの注文を同時に発注できることですが、ただ漠然と「このくらいかな」と新規注文が約定する価格や、利益確定、損切りが実行される価格を決めるのは、IFO注文を有効活用できているとは言えません。

つまり、IFO注文を活用する時は、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析をし、価格が上がるとすればどこまで上がる可能性があるのか、下がるとすればどこまで下がる可能性があるのかを予測する必要があります。
相場分析した結果と、投資用資金額などから許容できるリスク(損失額)を考慮し、いくらで新規注文の買い(売り)を入れ、いくらで利益確定をするのか、損切りラインを設定するのか、自分でシナリオを描くことが大切です。

感情に左右されないトレード

IFO注文を活用し、あらかじめ新規注文から決済注文まで設定できることは、欲や恐怖に邪魔されずに取引ができるという魅力があります。
特に、トレード経験の浅い初心者の場合は、成行注文で決済をしようとすると、どうしても損切りや利益確定の注文をするタイミングを躊躇してしまうことがあります。
自分で損切りラインを決めて、価格がラインまで達したにもかかわらず、価格が反転すると信じ、ポジションを持ち続けることで、無駄に損失を拡大させる可能性があります。
また、利益が出ている状態で、もっと利益を出したいと思いポジションを持ち続けることで、気付いたら見る見ると利益が減ってしまうこともあるかもしれません。
このようなトレードを繰り返していると、損大利小のトレードになってしまい、利益はいつまで経っても増えていきません。

そこで、IFO注文を活用すると、感情に左右されることなく、自分の思い描いたシナリオ通りに価格が推移していけば、狙い通りの価格でエントリーすることができ、思惑通りに価格が推移すれば一定の利益を確保でき、エントリー後に価格が思惑と逆方向に動いたとしても、損失を限定したトレードをすることができます。

IFO注文3つのメリット

IFO注文を活用することによる3つのメリットをまとめました。

①相場分析した結果をシナリオとして注文に表すことができる。
IFO注文の特性上、注文を入れる前に相場分析し、今後の相場展開のシナリオを描く必要があります。そして、そのシナリオをそのまま注文に反映できるため、偶然ではなく、自分で狙って利益を上げることができます。

②万が一、チャートをチェックできなくても、最低限の損切と一定の利益が確保できる。
新規注文から決済注文まで同時に設定できるため、こまめにチャートをチェックできない人にとっては、大変役立つ注文方法です。

③予め損益比率を1以上に設定できる。1以上にならないならやめることも可能である。
計算式はとてもシンプルで、「平均利益÷平均損失」で求めることができます。
そして、相場分析をして、エントリー予定レートから、損益比率の値が1以上にならないなら、この戦略はリスクが高いということで、プランの変更を考えます。

例えば、現在の価格が112円のとき、111円でドル円を指値で新規の買いの指値注文を入れ、109円で損切、115円で利益確定というプランでは、予定損失は2円、予定利益4円となります。
このときの損益比率は、4円÷2円=2となり、IFO注文として活用できるプランと言えます。

しかし、先ほどと同様に損切ラインが109円、利益確定が115円で決まっていて、新規の買い注文を逆指値で113円で入れると、予定利益は2円、予定損失は、4円となり、損益比率は、2円÷4円=0.5となり、リスクが大きいため、このプランは避けた方が良いと判断することができます。

IFO注文を実際に活用する

ここまで、IFO注文の特徴、仕組み、そして活用する時のポイントをご紹介しました。
ですが、知識があっても実際の証券口座の取引システムでIFO注文をする手順が分からなければ、活用することはできません。
そこで、今回は楽天証券の取引システムを用いて、実際のIFO注文の手順を解説します。

新規注文を入れる

①楽天証券の取引システムにログイン後、まず「注文」をクリックします。

注文画面が開けたら、まず「新規注文」を選択し、次に「IFO」を選択します。

③次に、取引する通貨ペアを選択し、売買、執行条件、注文レート、数量、有効期限を入力します。今回は例として、「米ドル円・10,000通、110円で買いの新規指値注文を設定します。

 

利益確定のための指値注文を入れる

④次は、利益確定の決済注文を設定します。新規注文が「買い」のため、決済注文は「売り」が自動で設定されます。注文レートに利益確定の売りの指値注文を入力します。今回は、115円に売りの指値注文を設定しました。

 

ロスカットのための逆指値注文を入れる

⑤最後に、万が一思惑が外れた時の損切りラインを設定します。こちらも「売り」が自動で設定されますので、注文レートを入力します。今回は、107円を損切りラインとする売りの逆指値注文を設定しました。

⑥すべての入力が完了したら、注文内容を確認し、「確認」ボタンを押します。
※ここでは、まだ注文は執行されません。

⑦「注文を執行」をクリックすると、設定したIFO注文が執行されます。
これで、IFO注文が完了となります。

 

まとめ

今回は、IFO注文の仕組みから、実際の取引システムでの注文の流れまで解説しました。IFO注文は、こまめにチャートをチェックできないサラリーマンの方などにとっては、あらかじめ利益確定と、損切りの決済注文を設定できるため、大変役立つ注文方法です。
パソコンの前に張り付く必要もなく、自分のライフスタイルを崩さずに、利益を狙えますので、仕事が忙しく、多くの時間をトレードに割けない方にオススメします。

また、注文方法もそうですが、短い時間しかチャートを見れないのであれば、為替市場の時間帯ごとの特徴や、相場が動きやすい時間をあらかじめ理解することが重要です。相場が動くということは、それだけ大きな値動きを取れる可能性があり、収益を増やすチャンスがあるからです。そのためこちらを学ぶための記事を作成いたしました。

忙しく、トレードに時間をかけられない人ほどご覧ください。

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