FXトレード

ストキャスティクス基本的な見方や使い方をご紹介

株式投資やFXを始めたばかりの方であれば、逆張り的に使用できるオシレーター系のテクニカル指標「ストキャスティクス」が気になっているのではないでしょうか?このストキャスティクスを使用して逆張りサインを見極め、より収益を積み重ねていきたいものですよね。

そこで、今回はストキャスティクス基本的な見方や使い方をご紹介していきたいと思います。また、RSIとの違いや注意点なども一緒にご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!

ストキャスティクスとは?

ストキャスティクスとは、株価や為替相場の「売られ過ぎ」、「買われ過ぎ」を判断するためのテクニカル指標のひとつ。その中でもストキャスティクスはオシレーター系の分析指標となっており、高値と安値、終値の3種類の数値を用いて作成します。

過去のデータにおける高値と安値に対し、当日終値がどのような位置にあるのかを数値化したもので、「%K=短期線」、「%D=中期線」の2本の線を使用して逆張り的な売買タイミングを探っていきます。

%Kは、一定期間における最高値から最安値までの範囲の中で、直近の終値がどの位置にあるのかを表す指標。%Dは、%Kを移動平均化し動きを平滑化した指標となっています。

スローストキャスティクス

上記の%Dをさらに移動平均化し動きを平滑化したSDといったものもあります。そのSDをさらに移動平均化し動きを平滑化したものがSDスローです。

スローストキャスティクスは、この2本の線を使用して逆張り的に売買タイミングを探っていくことになります。こちらの指標は、ストキャスティクスよりも反応が緩やかといった特徴があるといえるでしょう。ストキャスティクスは短期トレード向きで、通常はスローストキャスティクスを使用するのがおすすめです。

ストキャスティクスを使いこなすには計算式も理解しておこう!

%K=((当日終値-過去N日間の最安値))/
((過去N日間の最高値-過去N日間の最安値))×100(%)

%D=(最新の終値-過去N日間の最安値)のM日間の合計/
(過去N日間の最高値-過去N日間の最安値)のM日間の合計×100(%)

SLOW%D=(直近3日間の%Dの合計)/3×100(%)

※N=通常14、9、5日間
※M=通常3日間

ストキャスティクス基本的な見方

ストキャスティクスの「買われ過ぎ」、「売られ過ぎ」のラインは、それぞれ70~85%、30~15%がよく用いられます。

30~15%以下で%Kが%Dを下から上抜いたとき(ゴールデンクロス)に「買い」、70~85%以上で%Kが%Dを上から下抜いたとき(デッドクロス)に「売り」と見て取ることが可能です。

特に買いでは85%以上、売りでは15%以下といったように数値が100・0%に近づけば近づくほど信頼度が増していきます。このような買いと売りのサインを、一定の範囲中で上下する数値を見て判断材料とし、トレードしていくといいでしょう。

また、相場が上昇を続けているのに%Dが70%以上の位置で右下がりのダブルトップ型になる場合の逆行現象は弱気サイン。反対に相場が下落し続けているのに%Dが30%以下で右上がりのダブルボトム型となれば強気サインとなっています。

ストキャスティクス基本的な使い方

ストキャスティスクの基本的な使い方は、「ストキャスティクス基本的な見方」でもご紹介した通りの30~15%以下のゴールデンクロスで「買い」、70~85%以上のデッドクロスで「売り」といった流れとなっています。

より保守的に使用したい場合には、「%Kまたは%Dが90%を超えたら売り」、「%Kまたは%Dが10%を割ったら買い」といったような解釈で使用していきましょう。

「買われ過ぎ」、「売られ過ぎ」のラインをこのように設定することで、売買チャンスは減ってしまいますが、最も有力な売買サインを表してくれるストキャスティクスとなります。

スローストキャスティクスで精度を高める

%Kと%Dを使用したストキャスティクスのグラフが細かく振れ過ぎて使いづらい場合には、上記でご紹介したスローストキャスティクスを使用して精度を高めていきましょう。
ただし、スローストキャスティクスは感応度が抑えられているので、信頼度は上がる反面、売買シグナルの確認がやや遅れ気味になってしまいます。

ストキャスティクスはボックス相場で大活躍!

ストキャスティクスは、ボックス相場のような一定のレンジ内の価格変動や相場のトレンド転換時に非常に明確なサインが確認できます。それ以外の上昇トレンドや下降トレンドでは、どうしてもダマシが発生しやすくなってしまいます。

ストキャスティクスを使って利益を上げていくには、上記の点に注意し、その時々のマーケット環境をしっかりと把握することが重要です。マーケット環境は、上昇トレンドや下降トレンド、方向感のないボックス相場の3つに分けられます。

これらのマーケット環境を理解していないままただやみくもに「80%を超えたから売り」、「20%を割ったから買い」といったトレードでは、利益を積み重ねていくことは難しいでしょう。

そこで、オシレーター系のテクニカル指数ストキャスティスクで収益を確実に積み重ねていくためには、マーケットの方向感が乏しいボックス相場の状態での使用がおすすめです。
もしくは流れが緩やかな上昇トレンドや、下降トレンド時に使用するといいでしょう。

他のテクニカル指標と組み合わせて使用しよう!

ストキャスティクスがボックス相場に適しているといったことがお判りいただけたと思います。しかし、ストキャスティクスには大きな上昇トレンドや下降トレンドが発生した場合には、適さないこともあります。

そこで、ストキャスティクスでは捉えきれないトレンド把握が得意な移動平均線やMACDを組み合わせて使用することがおすすめです。いくらストキャスティクスが優れた指標でも、ひとつのテクニカル指標だけを判断材料に使用することは信頼性に欠けてしまいます。

ストキャスティクスと移動平均線やMACDなどのトレンド系テクニカル指標を組み合すことで、ストキャスティクスが苦手とする強いトレンド発生時の穴埋めとなるでしょう。このようにトレンド系テクニカル指標を合わることによって、効率の良い役割分担を実現させていくことが可能です。

ストキャスティクスとよく似たRSIとの違いは?

ストキャスティクスと同様に、オシレーター系のテクニカル指標として大変人気のRSIとの違いを詳しく解説していきたいと思います。

まずRSIは買いゾーン、売りゾーンで単純に判断するのに対し、ストキャスティクスは2本の線を用いてゴールデンクロスやデットクロスから明確に売買シグナルが出るので、相対的に判断しやすいテクニカル指標であると言えます。

また、RSIは「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」のサインとも呼ばれていますが、過去一定期間内の上昇幅と下落幅を使用して数値を導き出していますので、実際の正しい捉え方は50%以上で「買い勢力が優勢」若しくは50%以下で「売り勢力が優勢」といったような意味合いとなっています。

このようにRSIの本当の意味合いを「買われ過ぎ」、「売られ過ぎ」といったように勘違いしている方が多いので、十分に気を付けておきましょう。

反対に今回ご紹介のストキャスティクスでは、上述した通り過去のデータにおける高値と安値に対し、当日終値がどのような位置にあるのかを数値化したものとなっています。分かりやすく説明すると、過去〇日間の値動きの中で現在の価格が下から何%の所に位置しているかを表示させたものがストキャスティクスです。

このように、ストキャスティクスとRSIは似ているようで全く違った意味合いのオシレーター系のテクニカル指標となっています。

ストキャスティクスの注意点

それでは、最後にストキャスティクスを使用する際の注意点をいくつかご紹介しておきたいと思います。これらの注意点に気を付けてトレードすることで、「ダマシ」などによる損失を回避していきましょう。

強いトレンド発生時

オシレーター系のテクニカル指標ストキャスティクスが最も効果を発揮するのは一定の値幅を往復するようなボックス相場です。

上記でも述べたように、一方向への動きが続く強いトレンド発生時にはストキャスティクスの値動きが0%や100%近辺に張り付いてしまう状態となってしまいますので、十分に注意しましょう!

また、反応が緩やかなスローストキャスティクスでも張り付いてしまうような強いトレンドもしばしば観察されますので、移動平均線やMACDといったトレンド系のテクニカル指標を併用して対応していきましょう。

話題性のある銘柄

話題性のある銘柄では、短期的にも長期的にも独特な動きを見せることが多々あります。例えば、近年では超大型IPOで話題となったソフトバンクや、不祥事が発覚し話題となった川崎重工業などがあげられます。

そんな銘柄には、「ダマシ」が多くなってしまいますので、当然ストキャスティクスが効くとはありえません。このような事態に遭遇してしまわないためにも、常日頃からファンダメンタル分析にも注意し、テクニカル分析のみで判断するトレードはなるべくしないようにしましょう!

ダイバージェンス(逆行現象)

ストキャスティクスには、ダイバージェンスといった価格と逆行する現象が発生することがあります。

例えば、上昇トレンドにおいて価格が高値を更新しているのにストキャスティクスでは高値を切り下げているといった時や、下降トレンドにおいて価格が安値を更新しているのにストキャスティクスでは安値を切り上げているといった時のことを指します。

このダイバージェンスが発生した時は、トレンド転換点となることが多いため、十分に注意しておきましょう。

また、ダイバージェンスの反対で価格と同時にストキャスティクスが高値・安値を更新している時を「コンバージェンス」と呼び、安定して勢いを増している相場と判断することができます。上昇トレンドや下降トレンドの確認材料として使用していきましょう。

まとめ

今回は、ストキャスティクス基本的な見方や使い方をご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?ストキャスティクスは、「売られ過ぎ」と「買われ過ぎ」を判断するためのオシレーター系のテクニカル指標のひとつでしたね。その他にも計算式や見方、使い方などもご理解いただけたのではないでしょうか。

これからストキャスティクスを使用してみようといった方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。また、記事後半にご紹介したRSIとの違いや注意点にも気を付けてトレードの精度を高めていきましょう!

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